【6月27日 AFP】約10年に及ぶ拡張工事を終えたパナマ運河(Panama Canal)を26日、中国の大型貨物船が初通航し、完成を祝う式典が開かれた。

 パナマのフアン・カルロス・バレラ(Juan Carlos Varela)大統領は式典で「今日は偉大な日、国民の結束の日だ。パナマのための日だ」と語った。「これは世界を一つに結ぶルートだ」

 中国船は大西洋(Atlantic)側から運河に入り、数時間かけて太平洋(Pacific)側に到達。集まった数千人の人々がゆっくりと進む貨物船に歓声を上げ、手を振った。

 パナマ運河の最多利用国は、米国と中国。運河の拡張は北米とアジアを結ぶ海運貿易に多大な恩恵をもたらすと期待される。

 1914年に米国によって造られたパナマ運河では、国際貿易の増加を見込んで2007年から拡張工事が始まった。予定より2年遅れで完成した工事の総工費は少なくとも55億ドル(約5600億円)。これまでの3倍の貨物輸送能力を持つ新型の大型貨物船「ネオパナマックス(Neopanamax)」級が通航できるようになった。

 また、拡張によって液化天然ガス(LNG)大型タンカーの通航も始めて可能になり、米国から日本や韓国への天然ガス輸出の追い風になると予想される。(c)AFP/Marc BURLEIGH