【6月25日 AFP】(更新)世界反ドーピング機関(WADA)は24日、開催まで6週間に迫ったリオデジャネイロ五輪でドーピング検査の検体の分析を行う予定だった施設が国際基準に適合していないとして、検査資格を停止したことを明らかにした。

 資格停止処分を受けたのは、リオ市内にある「ブラジル・ドーピング・コントロール臨床検査室(The Brazilian Doping Control Laboratory)」。同施設では、22日から尿や血液のサンプル分析の実施が禁じられた。

 国際オリンピック委員会(IOC)とWADAは、リオ五輪が自由で公正な大会となることを人々に確信させようとドーピング対策に力を入れている。「WADAは、リオの臨床検査室と緊密に協力し、見つかった問題の解決に努める」とWADAのオリビエ・ニグリ(Olivier Niggli)新事務総長は述べたが、「問題」が何かは詳細に説明しなかった。

 ニグリ事務総長は、問題の施設で分析予定だったサンプルは「安全かつ迅速に、実証可能な経路で世界各地のWADA認定施設に移送されることを保証する」と述べ、リオ五輪・パラリンピックにおいて安定したドーピング検査が行われることを約束した。

 ブラジル・ドーピング・コントロール臨床検査室は、今回のWADAの決定について、20日間以内にスポーツ仲裁裁判所(CAS)に控訴できる。資格停止処分はWADA理事会か会長の決定がなければ、6か月間は継続される。(c)AFP