■IAAF会長「ロシア人選手は基準をすべてクリアすることが重要」

 IAAFのセバスチャン・コー(Sebastian Coe)会長は、7月6日にオランダのアムステルダム(Amsterdam)で欧州選手権が開幕するため、このタイミングでの発表が重要だったと話している。

「われわれは現状にたどり着くまで最大限の努力をしてきた。欧州選手権まであと数日だ。新ルールにのっとり、国際大会への参加申請を考慮しているロシアの選手がいることは分かっていた。彼らは基準をすべてクリアすることが重要だ」

 WADAのクレイグ・リーディー(Craig Reedie)会長は22日、ドーピング違反を許容しないクリーンなアスリート像を示すためには、ロシア人選手の国際大会への出場禁止をはじめとした厳しい処分が不可欠だとの見解を示している。

 リーディー会長は、国外の信頼性の高いプログラムの下で検査を受けることを条件として、ロシア人選手の国際大会復帰を個別に認めるというIAAFの提案を支持しており、これによりロシアの組織的なドーピングを内部告発したユリア・ステパノワ(Yuliya Stepanova)の五輪出場への道が開けている。 

 WADAは現在、先月からロシアにおけるドーピング疑惑をさらに追求しているリチャード・マクラーレン(Richard McLaren)氏が率いる独立調査団の報告書を待っている段階だ。

 調査団の事前発表によると、モスクワの国立研究所における「国家主導」の検査結果の不正は遅くとも2011年に始まっており、2013年に開催された第14回世界陸上モスクワ大会(14th IAAF World Championships in Athletics Moscow)についても調査を行うとしている。

 調査団の報告書は7月15日に提出され、それから5日以内に公表される予定となっている。(c)AFP