【6月23日 AFP】独紙ビルト(Bild)は23日、英国の欧州連合(EU)残留への最後の呼び掛けとして、英国が「残留」を決めた場合、1966年に英国で開催されたサッカーW杯(World Cup)の決勝、イングランド対西ドイツでのイングランドの疑惑のゴールについて、ゴールとして認めることを約束した。ウェンブリー(Wembley)スタジアムで行われた決勝での疑惑のゴールは、W杯史上最も物議を醸したゴールの一つで、長年にわたって議論の的となってきた。

 さらにビルト紙は、EU残留が決まれば「(英国の)チャールズ皇太子(Prince Charles)の耳をこれ以上からかわない」ことや「君たちの日焼けした肌に連帯を寄せて日焼け止めクリームの使用をやめる」こと、「(サッカーの)次のPKでは、試合を白熱させるためにゴールキーパーを置かない」ことなどを約束した。

 EUから離脱するか残留するかを問う国民投票が英国で始まる中、ビルト紙は一面の見出しに「親愛なる英国民へ。もしもEUに残留したら、われわれはウェンブリーのゴールを認めよう!」と付けた。

 疑惑のゴールは、2-2で延長戦に入ったところでイングランドのジェフ・ハースト(Geoff Hurst)が放った3点目。ボールはクロスバーの下側に当たり地面に跳ね返り、西ドイツのディフェンダーがクリアした。主審はゴールラインを越えたかどうか確認できなかったが、線審はゴールだと判定した。

 独日刊紙フランクフルター・アルゲマイネ(Frankfurter Allgemeine Zeitung)も一面でウェンブリーの疑惑のゴールに触れて英国民投票を取り上げ、空中にあるボールの写真を掲載して「インかアウトか?」と見出しを付けた。(c)AFP