【6月21日 AFP】ハンガリーの名門オーケストラは18日、サッカー欧州選手権2016(UEFA Euro 2016)、グループFのアイスランド対ハンガリーの試合を舞台裏でテレビ観戦しながら、同日に行われたオペラ公演を成功させたようだ。

 ブダペスト(Budapest)に拠点を置くハンガリー放送交響楽団(Hungarian Radio Symphony Orchestra)の演奏家たちは、ドイツの作曲家リヒャルト・ワーグナー(Richard Wagner)のオペラ「ジークフリート (Siegfried)」のステージが終わると急いで楽器を置き、舞台裏のテレビで試合の終盤を見届けた。

 コンサートが行われた芸術宮殿(MUPA)の広報担当者は、地元スポーツ紙に対し、「第2幕が終わると同時に、オーケストラピットはあっという間に誰もいなくなりました」と明かしている。

 演奏家たちが試合を見始めたとき、ハンガリーは0-1でアイスランドにリードを許していたが、後半43分にアイスランドのDFビルキル・サエヴァルソン(Birkir Savarsson)のオウンゴールで同点に追いつき、最終的に勝ち点1を獲得した。

 すると、この結果を喜んだ演奏家たちは、ハンガリー国旗の色を顔にペイントして第3幕に戻ってきたという。

 グループFは現在、ハンガリーがまさかの首位に立っており、チームの成功に飢えている同国は喜びに沸いている。グループ初戦でオーストリアに2-0 で勝利を収めたハンガリーが、アイスランド戦を1-1で引き分けると、ブダペストの道路は大勢の人々であふれ返り、大通りの交通をふさいでいた。 (c)AFP