【6月21日 AFP】英議会は20日、先週殺害されたジョー・コックス(Jo Cox)下院議員を追悼する特別会合を開いた。デービッド・キャメロン(David Cameron)首相も涙ながらに哀悼の意を表した。

 キャメロン首相は議会で議員らに対し、野党・労働党に所属していたコックス議員のことを胸に刻み、「彼女を殺した憎悪に立ち向かい、きょうここで、そしてこれからもずっと、団結していこう」と呼び掛けた。

 議場ではコックス議員の夫に加え、3歳と5歳の子どもたちも、同議員の地元のヨークシャー(Yorkshire)を象徴する白いバラを胸に挿した議員らが述べる弔辞に耳を傾けていた。

 中にはハンカチを出して涙を拭う議員らもいた。コックス議員が座っていた席には、1本の白いバラに加え、労働党の象徴である赤いバラも1本手向けられていた。

 コックス議員が生前に支援していた、シリアの有志市民による救助隊「ホワイト・ヘルメット(White Helmets)」などの活動資金として活用してほしいと集まった寄付金は、100万ポンド(約1億5000万円)に上っている。

 欧州連合(EU)からの離脱の是非を問う23日の国民投票を前にコックス議員が無残な死を遂げたことで、欧州の政治・経済の行く末を左右しかねないこの国民投票で離脱・残留両派の対立が憎悪をあおっているという非難が巻き起こっている。

 事件を受けて離脱派内部で新たな対立も生じている。(c)AFP/Katherine HADDON