【6月20日 AFP】英国の欧州連合(EU)離脱か残留かを問う国民投票が23日に迫る中、離脱派だった与党・保守党のサイーダ・ワルシ(Sayeeda Warsi)元幹事長が、EU離脱運動は「ヘイト(憎悪)とゼノフォビア(外国人嫌悪)」だと非難して不支持への転向を表明した。

 上院議員のワルシ氏は、デービッド・キャメロン(David Cameron)首相の下でイスラム教徒として英国初の女性閣僚を務めたが、英政府のパレスチナ政策に抗議して辞任した経歴を持つ。

 ワルシ氏は英紙タイムズ(The Times)に対し、投票日を目前に開始された広告キャンペーンを受けて「EU離脱派からの離脱」を決めたと語った。この広告は、反EUを掲げる「英国独立党(UKIP)」のナイジェル・ファラージ(Nigel Farage)党首が先週公開したもので、スロバキア国境前に長い行列をつくる大勢の難民たちの写真に「限界点」という言葉が重ねられている。

「『もう限界だ』と主張するこのポスターこそが、私にとって『もうこんなものを支持することはできない』と決心する限界点だった」「国民投票で勝つためだけに、うそをついて、ヘイトやゼノフォビアを広めるというのか。私にとっては、それは行き過ぎだ」とタイムズに語った。(c)AFP