【6月20日 AFP】香港(Hong Kong)で19日、民主派の女性歌手デニス・ホー(何韻詩、Denise Ho)さんが無料の路上コンサートを開き、抑圧と闘おうと聴衆に呼び掛けた。もともと仏化粧品ブランド「ランコム(Lancome)」の主催で行われるはずだったが、ランコムは今月初め、突如コンサートの中止を発表。中国本土から圧力があったとの見方が広がっていた。

 ランコムは公演中止について「安全上の理由」と説明しているが、香港の市民たちは中国の国営メディアが民主派のホーさんとのスポンサー関係をめぐってランコムを批判したことが真の理由だとみて激怒。市内のランコム店舗前での抗議活動や同社製品の不買運動を展開していた。

 市内の上環(Sheung Wan)の路上に集まり手を振る数百人の聴衆を前に、ホーさんはギターを抱えて1時間半にわたり演奏を披露。「香港では(中国による)抑圧が続いている。私たちは抵抗しなければなりません」「私たちが声を上げなくても、抑圧はなくならない。むしろ、より強くなるでしょう」と記者団に語った。

 公演中止の決定後、これまでホーさんとのスポンサー契約に前向きだった企業ブランドが相次いで撤退しているという。(c)AFP