【6月19日 AFP】17日の米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)によると、安全性を実証する目的で行われていた仮想通貨プロジェクト「イーサリアム(Ethereum)」から、5000万ドル(約52億円)相当以上がハッカーによって不正に送金された。

 プロジェクトは「分散型自動化組織(DAO)」と呼ばれるもので、ビットコイン(Bitcoin)とよく似た仮想通貨「イーサ(Ether)」で投資資金を調達していた。被害額が調達したイーサの3分の1に上ったことから、プロジェクトが終了に追い込まれる確率は高いとされる。

 イーサなど仮想通貨で使用されている技術「ブロックチェーン」は金融の世界で影響力を強めつつあり、将来的には有用性が証明されるとの予想もある。ただ、ニューヨーク・タイムズは、ここ数か月間コンピューターの専門家の間から、イーサリアム・プロジェクトのコードに脆弱(ぜいじゃく)性があると指摘する声が上がっていたと伝えている。

 17日にはイーサの相場が急落し、プログラマーの間では不正送金されたイーサを取り戻せる形を目指してコードを変更するかどうかが議論された。(c)AFP