【6月19日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)の商業面を統括するFOA(Formula One Administration)のバーニー・エクレストン(Bernie Ecclestone)氏は18日、ヨーロッパGP(European Grand Prix 2016)が開催されるアゼルバイジャンのバクー(Baku)市街地コースの安全性を批判するドライバーに対し、「受け入れるか、家に帰るかのどちらかだ」と不満を示した。

 人権問題を抱えるアゼルバイジャンをヨーロッパGPの舞台にしたことで批判を浴びている85歳のエクレストン氏は、「アゼルバイジャンで初開催のレースについて文句を言うべきではない」と主張したメルセデスAMG(Mercedes AMG)のルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)に同調している。

 ハミルトンの同僚ニコ・ロズベルグ(Nico Rosberg)をはじめ、多くのドライバーがランオフエリアの少なさや、ピットインが高速になる危険性について不満をもらしているが、3回のフリー走行すべてでトップタイムを計測したハミルトンは、ほかのドライバーが特徴的なレースを排除したがっているとの見解を示している。

 政府に批判的な人物を逮捕しているアゼルバイジャン政府の権利を擁護しているエクレストン氏は、報道陣に対し、「ドライブしたくないのであればする必要はない。それは彼ら次第だ。ここがサーキットなのであり、気に入らないのであれば家に帰ればいい」と語った。

「私は多少『威勢のいい』コースだと言ったが、文句があるのであればね…。その一人はニコ(ロズベルグ)だったと思うが、ピットの入り口のスピードに対して注文をつけていた」

「だから私はこう言ったんだ。マシンにブレーキがついているか確認してこいと。どれだけスピードを出すのかは彼次第なのだから」

 ドライバーズポイントでロズベルグに肉薄し、絶好調が続いているハミルトンは、エクレストン氏と同じようにコースへの不満をもらすドライバーに否定的なコメントを残しているが、特定のドライバーについての言及は避けている。

「ドライバーはどんなことにも不満を言う。たしかにメーンストレートはでこぼこだし、マシンが揺れるからターン1を目視するのは簡単ではない。だから本当に厳しいコースだけれども、それもレースの一部なんだ」

「文句を言っているドライバーは、コースにスムーズさを求める。かつてないスムーズさをね。揺れもでこぼこもないコースだ。彼らはそういったコースからすべての個性を排除したいんだ」

(c)AFP