【6月16日 AFP】台湾で16日、違法薬物所持の罪で起訴された米国籍の男(41)が、法廷で判決が言い渡される中、隠し持っていたはさみで自身を刺して自殺した。裁判所の安全管理に対して疑問の声が上がっている。

 彰化(Changhua)の地方裁判所によると、タイレル・マーティン・マルハンカ(Tyrel Martin Marhanka)被告は、分解したはさみを雑誌の中に隠して金属探知機を回避したとみられている。

 ケシとマリフアナの種子を密輸した罪とマリフアナ栽培の罪で懲役4年の有罪判決が言い渡されると、マルハンカ被告は裁判所職員が駆け付ける前に、自らの首を刺したという。被告は病院に搬送され救急治療を受けたが、死亡した。

 裁判所は声明で「(マルハンカ被告は)捜査にも裁判にも協力的で、態度は穏やかで、自殺を図るような兆候はなかった」と述べた。

 今回の件を受けて裁判所は安全対策の強化を約束し、新しい建物に移設する際にX線スキャナー2台を導入すると述べた。現在の建物にはスキャナーを設置する場所がないという。(c)AFP