【6月16日 AFP】北大西洋条約機構(NATO)のイエンス・ストルテンベルグ(Jens Stoltenberg)事務総長は16日、ロシアが「軍事的手段を用いて勢力範囲」を築こうとしていると述べ、ロシア側の大規模で攻撃的な作戦行動が確認されていると付け加えた。

 ストルテンベルグ事務総長は独紙ビルト(Bild)に対し「われわれはNATOの境界沿い──北極圏やバルト海(Baltic Sea)、黒海(Black Sea)から地中海(Mediterranean Sea)まで──において、大規模な軍事化を確認している」と語り、「ロシアは軍事的手段を用いて勢力範囲を築こうとしている」と述べた。

「われわれは、ロシア側における攻撃的で、事前表明のない、大規模な作戦行動を記録している。ゆえにわれわれは行動しなければならない」とストルテンベルグ事務総長は述べ、バルト海沿岸諸国とポーランドへのNATOの部隊配備を正当化した。

「われわれが行っていることは防衛的であり、衝突を起こしたいのではなく、むしろ衝突を抑止したいと考えている。加盟国がわれわれを必要とするときに、われわれがそこにいることを加盟国に示したい」と同事務総長は付け加えた。

 ロシアによる2014年のクリミア(Crimea)編入とウクライナ東部での親ロシア派による分離独立運動への支援はNATOに衝撃を与え、NATOを冷戦後の慢心から目覚めさせ、東部方面の強化を強いた。(c)AFP