■「死んだ人全員を撃っていた」

 発砲が始まったのは閉店間際だった。コロンさんは脚を撃たれた。

「脚を3回撃たれて倒れた。立ち上がろうとしたが、皆思い思いに走り出していた。押し倒されて左脚の骨が折れ、全く歩けなくなった」

 銃撃犯の男がクラブ内の別の部屋に移って発砲を始めたため、いったんは命拾いをしたと思った。

「だが運悪く、男が戻ってくるのが聞こえた。床に倒れすでに死んでいる人たち全員を撃っていた。確実に殺すために」「(発砲音が)近付いてくるのが分かった。ちらっと目をやると、隣にいた女の子が撃たれていた。僕はすぐ横に倒れていた。次は自分が死ぬ番だと思っていた」

 男は、すでに負傷していたコロンさんをさらに2度撃った。しかし「神のご加護で、頭を狙った銃弾は手に当たった」「もう1回撃たれたが、今度は腰の側面に当たった」

 コロンさんはその時点で体中に5発の銃弾を受けていたが、それでも生きていることがばれないように努めた。「男はさらに5~10分間これを繰り返していた。あらゆる場所を撃っていた」