【6月12日 AFP】10日に行われたコパ・アメリカ・センテナリオ(Copa America Centenario USA 2016)のチリ対ボリビア戦で、疑惑のPKの末に敗れたボリビアのエボ・モラレス(Evo Morales)大統領が11日、勝ち点を「略奪された」と不満をあらわにした。

 モラレス大統領はツイッター(Twitter)に「我が国の代表チームにおめでとうと伝えたい。素晴らしい戦いだった」と投稿すると、「残念なことに、われわれは略奪されたわけだが」と付け加えた。

 モラレス大統領が問題にしているのは、1-1で迎えた後半ロスタイム10分にチリ側にPKが与えられた場面だ。ボリビアはルイス・グティエレス(Luis Gutierrez)がハンドの反則を取られてPKを献上。ボリビア側は激しく抗議したが判定は覆らず、最終的にはこのPKをアルトゥーロ・ビダル(Arturo Vidal)に決められて1-2で敗れた。

 週末には自らボールを蹴るほどの熱烈なサッカーファンのモラレス大統領は、先週末の試合で膝の手術が必要なほどの大けがをしており、現在は入院生活を送っている。

 チリとボリビアの間には昔から浅からぬ因縁がある。1879年から1883年までの「太平洋戦争」で、ペルーと同盟を組んだボリビアはチリに敗れ、領土の一部を奪われた。

 最近では、ともに国境を接するシラーラ川(Silala River)の利用権をめぐって対立。最終的には国際司法裁判所(ICJ)へ話が持ち込まれるまでになっている。(c)AFP