【6月10日 AFP】インドのニティン・ガドカリ(Nitin Gadkari)道路交通・高速道路相は9日、同国では1時間に平均17人が交通事故死しているとの政府統計を発表し、早急な道路安全対策の改善とインフラ整備、交通法規の厳格化を進めると約束した。

 報告書によると、2015年の交通事故件数は50万1423件、死者数は14万6133人で、前年から約5%増加した。負傷者数は50万人を超えるという。

 事故の10件に8件はドライバーが原因で、その62%はスピード違反となっている。

 ガドカリ氏は記者会見で「インドではテロや自然災害よりも、交通事故による死者の数の方が多い。にもかかわらず、われわれはこの問題を取り上げてこなかった」と語った。現在、渋滞緩和のための高速道路整備や道路補修に当たっているほか、死亡事故を起こしたドライバーに禁錮7年以上を科す法改正が提案されているという。

 インドで交通事故が多い理由について、交通アナリストらは劣悪な道路状況、車両の整備不良、無謀運転、不十分な道路交通法などを要因として挙げている。政府によると、インド国内で利用されている運転免許証の約30%は偽造とみられるという。(c)AFP