【6月10日 AFP】中国でメディアと芸術を統制する宣伝部門について、中国共産党の中央規律検査委員会(Central Commission for Discipline InspectionCCDI)は8日、世論を形成するのに力不足とたしなめる調査報告書を政府ウェブサイトで発表した。

 中央規律検査委員会が発表した報告書は、同党宣伝部門を対象に2月から行っていた2か月に及ぶ調査結果を基にしたものだという。

 調査報告書には、宣伝部門幹部らのイデオロギー工作遂行への責任感が不十分であるとする調査担当者の言葉が引用された。担当者は、芸術は社会主義の目標を志向する明確さに欠け、大学では政治思想の重視が不十分であるとした。

 さらに、ニュースのプロパガンダは的が定まっておらず、十分な効果は認められないとし、とりわけ新しいメディアにおいては「党がメディアを統制する」という原則の全面的実施を怠っていると指摘している。

 調査担当者は宣伝部門に対して、人を引き付ける訴求力を強化し、プロパガンダの効果を高めるよう求めた。(c)AFP