【6月10日 AFP】バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は9日、自身の後任として民主党のヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)氏を支持する意向を表明した。動画メッセージで「私は彼女を支持する」と述べて明らかにした。

 クリントン氏は党内の予備選で、左派の対立候補のバーニー・サンダース(Bernie Sanders)上院議員と激しい闘いを繰り広げてきた。

 オバマ大統領は「国民数千万人がすでに意思を表明した。きょうは私の意思を示したい」と切り出し、クリントン氏について「この(大統領の)職を担うのにこれほどの適格者はいないと思う」と述べた。

 前々から予想されていたこととはいえ、オバマ氏が正式に支持を表明したことで、クリントン氏の選挙運動に勢いを与えるとともに、厳しい競争を経てきた後の党の結束にまつわる懸念を払拭(ふっしょく)することにもつながり得る。

 オバマ氏はこれに先立ち、ホワイトハウス(White House)の大統領執務室(Oval Office)にサンダース氏を招いて会談した。これも傷を癒やす狙いがあったとみられる。

 ほぼ8年間大統領を務めてきたオバマ氏は、今でも同国で最も人気の高い政治家の一人で、特に黒人やヒスパニック系、若者、リベラル派といった有権者からの支持率は圧倒的な高さを誇っている。今回そのオバマ氏からの支持を取り付けたことで、クリントン氏は選挙戦で強力な味方を得た格好だ。(c)AFP