【6月9日 AFP】国際テニス連盟(ITF)は8日、人気女子テニス選手のマリア・シャラポワ(Maria Sharapova、ロシア)のドーピング違反に対し、2年間の資格停止処分を言い渡した。これを受けたシャラポワは同日、処分に異議を申し立てる考えを明かしている。

 元世界ランク1位のシャラポワは、1月に行われた全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament 2016)のドーピング検査で、今年初めに世界反ドーピング機関(WADA)の禁止表に入った「メルドニウム(Meldonium)」に陽性反応を示した。シャラポワは当時、心臓の問題とマグネシウム欠乏症の治療のため、同薬を10年にわたって摂取していたと説明していた。

 ITFは声明の中で、今回の決定に先がけて「独立した裁定機関」が「マリア・シャラポワによる反ドーピング規定違反を認めた」と述べ、その結果として「影響を受けたと思われる競技結果をはく奪し、2016年1月26日から2年間の資格停止処分を科す」ことになったと続けた。

 調査を行った機関は、ITFに送付した33ページの報告書の中で、シャラポワの禁止薬物使用は「運動能力の向上」目的以外に考えられず、処分は「自業自得」と結論付けている。

 しかし、シャラポワはこの裁定を不服とし、フェイスブック(Facebook)に投稿した声明で、処分は「不当に厳しくされた」ものだと非難した。

「反ドーピング規定を意図的に破ったのではないと、正しく理解してもらうことはできましたが、不当に厳しくされた2年間の資格停止処分を受け入れることはできません」

「ITFのメンバーにより構成される裁定機関は、私が意図的に過失を犯したわけではないと結論付けた一方で、2年間もテニスから遠ざけようとしています。すぐさまスポーツ仲裁裁判所(CAS)に案件を持ち込む所存です」

 シャラポワは同時に、ITFは「多くの時間と労力を費やして、私が意図的に禁止薬物を摂取したことを、何とか証明しようとしていた」と批判した。

 3月2日にドーピング違反の通知を受けたシャラポワだが、検査が行われた1月26日にさかのぼって資格停止処分が科される。裁定が覆らなければ、処分が明けるのは2018年1月25日となり、現在29歳のシャラポワにとって、復活は困難な道のりとなる。(c)AFP