【6月8日 AFP】冷戦時のポーランド政権によって強制収容所跡から回収され、長い間行方が分からなくなっていたユダヤ人犠牲者の遺品がこのほど発見され、ポーランド南部のオシフィエンチム(Oswiecim)のアウシュビッツ博物館(Auschwitz Museum)に返還された。

 博物館の声明によると、遺品の大半はナチス・ドイツ(Nazis)強制収容所のガス室へと送られたユダヤ人たちの最後の所有物であったとされる。遺品には、温度計、空の薬瓶、靴の切れ端、宝飾品、食器類、時計、ブラシ、喫煙用パイプ、ライターといったものがある。

 これらの遺品は、1967年にアウシュビッツ・ビルケナウ(Auschwitz Birkenau)強制収容所の火葬場およびガス室跡で回収されていたが、その後の行方が分からなくなっていた。数か月に及ぶ調査の結果、ワルシャワ(Warsaw)のポーランド科学アカデミー(Polish Academy of Sciences)で数十年もの間、段ボール箱にしまい込まれた状態で保管されていたことが判明した。段ボール箱は48個あった。(c)AFP