【6月7日 AFP】6日に行われたコパ・アメリカ・センテナリオ(Copa America Centenario USA 2016)のグループDの試合で、リオネル・メッシ(Lionel Messi)が不在ながらも前回王者チリを2-1で撃破したアルゼンチンをけん引したのは、深い悲しみに包まれたアンヘル・ファビアン・ディ・マリア(Angel Fabian Di Maria)だった。

 フランス・リーグ1のパリ・サンジェルマン(Paris Saint-GermainPSG)に所属するディ・マリアは、試合の数時間前に祖母を亡くしていた。しかし、チリ戦では1得点1アシストの活躍をみせ、前回大会の決勝で敗れたリベンジを果たした。

 ディ・マリアは後半6分に先制点を挙げると、こみ上げる感情を隠すことなく、「おばあちゃん、あなたがいなくなって僕は本当に寂しいです」とメッセージが書かれたシャツを空に掲げた。その後、エベル・バネガ(Ever Banega)の追加点を演出したディ・マリアは、この試合のマンオブザマッチに輝いている。

 ディ・マリアは試合後、涙を流しながらテレビ局のインタビューに応じ、「おばあちゃんは僕が代表チームでプレーすることを誇りにしていた。だからプレーしなければならなかったし、プレーしたかった」とコメントした。

 アルゼンチン代表で指揮を執るヘラルド・マルティーノ(Gerardo Martino)監督は、「彼の祖母が亡くなったことを5分前に聞いた」と明かし、「私には何も教えてくれなかったが、彼は十分にプレーすることができた」と語った。(c)AFP