【6月6日 AFP】トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は5日、トルコ人女性は子どもを少なくとも3人産むべきだと主張し、子孫を残さない女性の人生は「不完全」だと述べた。

 トルコの人口は近年、既に大幅に増加しているが、さらなる人口増加を目指すエルドアン大統領は、過去にも女性の出産を奨励する発言を繰り返し、物議を醸していた。

 娘のスメイエ(Sumeyye Erdogan)さんが副会長を務める女性団体「女性と民主主義協会(KADEM)」の新設ビル落成式で演説したエルドアン大統領は、「母性を拒否することは、人間性を放棄することを意味する」との持論を展開。「少なくとも子どもを3人持つことを勧める」と述べた。

 さらに「職業人としての人生を送ることが、母親になる妨げになるべきでない」との見解を示し、トルコは働く母親を支援する「重要な措置」を取ってきたと述べた。

 エルドアン大統領は5月30日に、イスラム教徒の家族にとって家族計画と避妊は不必要だと発言し、女性活動家らの反発を呼んでいた。

 5日の演説ではさらに、「『私は働いているから母親にはならない』と言う女性は、自身の女性性を否定している。母性を拒否して家にいない女性は、どんなに仕事で成功しても欠陥があり、不完全だ」と主張した。

 公式統計によると、トルコの人口は2000年には6800万人に満たなかったが、昨年には7874万1000人まで増加。前年比の増加率は約1.3%だった。(c)AFP/Stuart WILLIAMS