【6月5日 AFP】台湾・台北(Taipei)の立法院(議会)で3日、行政院長(首相)と野党議員がバーチャルリアリティー(仮想現実、VR)装置を身に着けて台湾のテクノロジー産業の未来について討論し、ロボット同士が議論しているような光景が繰り広げられた。

 VR装置を装着した野党・時代力量(NPP)の黄国昌(Huang Kuo-chang)主席の求めに応じ、林全(Lin Chuan)行政院長もVR装置を身に着けた。

 それから2人は台湾の主要産業で、VRによる活性化が期待されているテクノロジー産業の課題について、未来的なバイザーを身に着けたまま5分間にわたって討論した。2人とも終始真面目な表情だった。

 黄主席は討論の中で「台湾産業界の変革の時だ。目標の一つがVRだと思う」と発言した。林行政院長は、政府は台湾をアジアのシリコンバレー(Silicon Valley)にすることを目指していると述べた。

 VR装置を身に着けている間、2人の目には時代力量が制作したアニメ映像しか見えていなかった。

 台湾行政院(内閣)主計総処(統計局)は先月27日、2016年の実質域内総生産(GDP)の予測を1.06%と、2月時点の予測から0.41ポイント下方修正した。停滞する経済の再生は、先月発足した民進党(DPP)政権の最重要課題となっている。 (c)AFP