【6月4日 AFP】ポーランドは安全保障上の懸念から来年、兵力を現在の10万人から15万人に増強する計画を発表した。アントニ・マチェレウィチ(Antoni Macierewicz)国防相が3日、明らかにした。

 マチェレウィチ国防相は、2014年に起きたロシアによるウクライナ南部クリミア(Crimea)半島の併合や、ウクライナ東部での親ロシア派の蜂起についてはっきりとは触れなかったものの、一連の事態を受け、ポーランド政府はすでに防衛力強化に乗り出している。

 ポーランドを含む北大西洋条約機構(NATO)は、東欧の加盟国への派兵を増強することで合意しており、合意案は来月ポーランドの首都ワルシャワ(Warsaw)で開催されるNATO首脳会議(サミット)で正式に承認される。

 マチェレウィチ国防相によれば、15万人に拡大される軍の中で重要な役割を担うのは3万5000人の予備軍だ。指揮系統と士官クラスの人事は4月に決定しており、志願兵の登録は9月から開始される。

 予備軍は軍事訓練を受けたことのある民間人から構成されており、ロシアがウクライナ東部を併合したとされるのと同様に侵犯によってポーランド領を奪取しないよう抑止することが狙いだ。

 計画ではポーランドの16県すべてに旅団クラスの1部隊が配備され、そのうち面積・人口が最大の中部マゾフシェ(Mazovia)県には2部隊が配備される。ロシアの圧力に最もさらされているとみなされている東部への配備が優先される。(c)AFP