【6月4日 AFP】フィンランドの労働人口の約85%を代表する複数の労働組合が、賃金を増やさずに労働時間を増やすという政府の緊縮財政案を受け入れた。関係者が3日、明らかにした。

 フィンランドはかつてユーロ圏有数の良好な経済を誇っていたが、この9年間は経済を回復軌道に乗せるため苦戦を強いられている。世界的に景気が後退した2007年にフィンランドの景気は悪化し始め、2011~14年には3年間のリセッション(景気後退)を経験した。

 緊縮財政を推進しているフィンランド政府が労務費削減のため立てた計画が実施されると、同国の労働人口の約85%に当たる人たちの年間労働時間は24時間(3日分の労働時間に相当)増えるが、その分の追加報酬は支払われない。また、社会保険の負担額も増え、公務員の休業手当も減らされる。

 フィンランドの強力な労働組合は過去に賃金下げに応じたことはなかったが、労組幹部らは、雇用を創出するにはやむを得ない措置だと話している。(c)AFP