【6月3日 AFP】パキスタンで3人の妻との間に既に計35人の子どもを持つ男性(46)が、100人までつくるという野望の達成に向けて4人目の妻を募集している。保守的なイスラム教国家のパキスタンでも一夫多妻婚はまれだが、一部ではなお行われている。

 新たな妻を探しているのはバルチスタン(Balochistan)州のクエッタ(Quetta)郊外に住むサルダル・ジャン・ムハンマド・キルジ(Sardar Jan Mohammad Khilji)さん。できるだけ多くの子どもをもうけることをイスラム教徒としての義務だと信じており、上は15歳、下は数週間前に生まれたばかりの赤ちゃんまで35人の父親だ。

「子どもの名前を間違えることはめったにないよ」。医療技術者であるキルジさんはそう語る。26歳の時に最初の妻と結婚。翌年に2人目と3人目の妻を立て続けにめとったという。

 イスラム教の教えに従い、パキスタンの男性は妻を4人までめとることが認められている。ただし、第一夫人と仲裁評議会の許可が必要だ。

 キルジさんの話では、3人の妻は円満に暮らしているといい、皆キルジさんの子づくりと「婚活」を応援してくれているという。ただ、AFPが妻たちにインタビューすることは認めなかった。

 15歳になる長女は「大家族はアラーの神からマンゴーをひと箱贈られたようなもの」と話し、キルジさんの挑戦に理解を示す。

 多産の秘訣についてキルジさんは、毎日、新鮮な果物とドライフルーツ、ミルク、肉類を摂取し、コーランを暗唱し、5回の祈りを欠かさないことだと語っている。

 とはいえ一夫多妻婚をめぐっては、人権活動家から最も苦しむのは女性と子どもたちだという批判が上がる。女性権利活動家のラフィア・ザカリア(Rafia Zakaria)さんは、イスラム教の聖典コーラン(Koran)では夫が複数の妻を「完全に公正」に扱える場合のみ多妻を認めるとしているが、そんな状況はあり得ないと述べ、一夫多妻婚に異議を唱えている。

 キルジさんのこれまでの結婚はいずれも両親が段取りを整えたものだった。しかし、今回は交流サイトのフェイスブック(Facebook)が出会いの場になりそうだ。国内メディアで花嫁募集の話が報じられてから、すでに多数の女性から連絡があったという。(c)AFP/Maaz KHAN