【6月3日 AFP】豪テニス界の若きスター、ニック・キリオス(Nick Kyrgios)が3日、同国五輪委員会(AOC)から態度を改めるよう「不当な攻撃」を受けたため、今夏のリオデジャネイロ五輪には出場しないと発表した。

 コート上での問題行動を批判され、五輪出場を見送る決断を下したバーナード・トミック(Bernard Tomic)に続き、キリオスを失うことは、オーストラリア五輪代表チームの大きな痛手となる。

 キリオスは声明の中で、「母国のメダル獲得のため、リオでは精いっぱい頑張ろうとしたのに、残念ながら、AOCは別の計画を用意していたようだ」と述べた。

「ここ4週間、AOCから不公平で不当な扱いを受けていたほか、他の団体についても、僕がオーストラリア代表に入ることについて、どう思っているかは明らかだった。だからこの決定を下した」

 オーストラリア選手団のキティ・チラー(Kitty Chiller)団長は3月、「われわれが求める基準にそぐわない者がいた場合、いざとなれば、それなりの措置を講じることも辞さない。自分の立場を理解しない選手がいれば、オーストラリアに送還する」と、キリオスとトミックにくぎを刺すようなコメントをしていた。

 キリオスは、五輪にオーストラリア代表として出場するのは、幼少期からの夢だったとすると、「不運な状況に追い込まれたことに、ものすごく落胆している」と続けた。

「豪テニス協会(Tennis Australia)から、五輪代表に推薦すると確約をもらったとき、AOCは公私にわたって僕を軽蔑した」

「AOCのメンバーは誰も、自分や家族、チーム、協会の代表にコンタクトしてこなかった。懸念事項を話し合う機会も与えてくれなかったんだ」

「僕に対するAOCの不当な攻撃は、競争力が高いスポーツを取り巻く状況について、理解しようともしない団体の姿勢を示している」

 チラー団長の批判を受けた後、豪テニス協会は、キリオスがプレーや態度を改善させていると主張し、五輪の代表に推薦していた。(c)AFP