【5月28日 AFP】ブラジル警察は27日、16歳の少女が集団で性的暴行を加えられた事件に関する捜査を行っていることを明らかにした。犯人らは少女を撮影した動画をインターネットに投稿しており、ブラジル中に衝撃を与えている。

 今月25日に投稿された動画には、ベッドにいる裸の少女と、30人以上で少女を性的に暴行したと自慢げに語る加害者とみられる男たちの姿が写っており、ソーシャルメディアには激しい怒りが広がっている。

 男たちは今月21日にリオデジャネイロ(Rio de Janeiro)で少女を暴行したとみられている。8月に五輪を控えているリオデジャネイロでは凶悪犯罪が相次いでいる。

 リオデジャネイロ警察は記者会見で、状況から少女が性的暴行を受けた可能性は高いとみられ、加害者が30人あるいはそれ以上いたかは今後の捜査で結論を出すと述べた。また、性的暴行や動画の投稿に「直接的または間接的に」関与した疑いがある男4人の身元を特定したことを明らかにした。

 ジェンダー間の平等や女性の地位向上に取り組む国連組織UN Womenのブラジル広報担当者ナディネ・ガスマン(Nadine Gasman)氏は、ブラジル北東部ピアウイ(Piaui)州でつい最近17歳の少女が集団で性的暴行を受けたとみられる別の事件と併せて今回の事件を非難した。

 ガスマン氏は「被害を受けたのが若い女性たちという事実以外に、これらの残虐な事件は、10代の少女たちが周到に準備された筋書きで襲撃犯らにおびき寄せられたという点でも共通している」とし、「違法薬物の使用に関連した状況で暴力的に襲われている」と指摘した。

 ブラジル警察の統計によると、ブラジル国内では2014年に11分に1回の頻度で性的暴行が発生した。ブラジルの非政府組織(NGO)「パブリック・セーフティー・フォーラム(Public Safety Forum)」によると、ブラジルの性的暴行の発生件数は年間推定50万件だという。

 女性の人権団体「シンク・オルガ(Think Olga)」の広報担当者ルイス・ベロ(Luise Bello)氏はリオデジャネイロで起きたような集団性的暴行事件は珍しくないと述べ、「ブラジルではレイプが起きる風土が非常に根強い。ブラジル人は否定するが、レイプが日常生活の一部になっている」と述べた。(c)AFP/Yann BERNAL