【5月27日 AFP】世界保健機関(WHO)は26日、2014~2015年の2年間に紛争下の19か国・地域で病院や医療従事者、救急車などに対する攻撃が合計で600件近くあり、医療従事者や患者ら計1000人弱が死亡したとする報告書を発表した。

 WHOが主要な紛争地での医療機関や関係者への攻撃に関する包括的な統計をまとめたのは今回が初めて。それによると昨年、医療従事者にとって最も危険だった場所は内戦が続くシリアで、パレスチナやイエメンなどの他の紛争地域を上回った。

 WHOで非常事態リスク管理の責任者を務めるリック・ブレナン(Rick Brennan)氏は記者会見で、「調査で分かったことのうち最も懸念されることの一つは、攻撃の3分の2が意図的なものだったことだ」と語った。

 その上で、医療機関や医療従事者、病人らを故意に狙った攻撃は「国際人道法の重大な違反」だと指摘。こうした攻撃が故意だと証明された場合、戦争犯罪とみなされる可能性があると述べた。(c)AFP/Nina LARSON