【5月27日 AFP】米航空宇宙局(NASA)は26日、宇宙空間で膨らませて利用する国際宇宙ステーション(ISS)の仮設居住モジュールの運用試験で、モジュールを完全な大きさにまで膨らませることができない問題に直面したため、作業を中止した。

「ビゲロー拡張可能活動モジュール(Bigelow Expandable Activity ModuleBEAM)」として知られるこの居住モジュールは、今後数十年以内に月や火星での利用も視野に入れた、拡張可能な居住空間を試験する実験の一部だ。

 NASAのジェフ・ウィリアムズ(Jeff Williams)飛行士が26日午前、米ヒューストン(Houston)のNASA管制センターと連携して、BEAMを膨らませる作業を担当した。

 だが、開始から数時間が経過したにもかかわらず、BEAMはほとんど膨らまなかった。NASAが発表した声明によると、BEAMは数センチしか膨らまず、そのまま作業は中止となったという。完全に膨らんだ状態では全長4メートル、幅3.23メートルに達する。

 NASAは、グリニッジ標準時(GMT)の26日午後2時(日本時間同日午後11時)に予定していた、BEAMの運用試験について説明するための記者会見を中止した。ただ、早ければ27日午前にも試験を再開する可能性があるとしている。

 楕円(だえん)形の居住モジュールであるBEAMは、民間宇宙企業の米ビゲロー・エアロスペース(Bigelow Aerospace)がNASAと1800万ドル(約20億円)の契約を交わして開発。宇宙空間での運用試験は今回は初めてとなる。

 当初の計画では、6月2日に宇宙飛行士らが初めてBEAM内部に入る予定だった。(c)AFP