■「霧に包まれたモナコ」

 オフショア企業を通じた不動産の購入は、本当の持ち主を隠し、租税を回避する手段として使われている可能性がある。

 先月に「パナマ文書(Panama Papers)」で暴露されたこの手法は、世界の富豪がロンドンの不動産を購入する際にも利用されている。

 NGO「トランスペアレンシー・インターナショナル(Transparency International)」によると、2004~14年の間に、英国全体で1億8000万ポンド(約290億円)相当の不動産が、不正行為により取得された疑いで調査を受けた。同NGOは、これは「氷山の一角」だとしている。

 パナマ文書の分析に協力した英紙ガーディアン(Guardian)のルーク・ハーディング(Luke Harding)記者は、英国の仲介者が果たしてきた役割に衝撃を受けたと話す。

 ハーディング記者はツアー参加者に向け講演した後、「英国は霧に包まれたモナコになった」と語り、パナマ文書によって「世界の富豪がかなり前に納税をしなくなったという、私たちの目の前で隠されていた真実が、明らかにされた」と指摘した。(c)AFP/Dario THUBURN