【5月18日 AFP】欧州連合(EU)のドナルド・トゥスク(Donald Tusk)欧州理事会(European Council)常任議長(EU大統領)は17日、ボリス・ジョンソン(Boris Johnson)英ロンドン(London)前市長がEUをナチス・ドイツ(Nazi)の指導者アドルフ・ヒトラー(Adolf Hitler)に例えたのは「一線を越えた」発言だと批判した。

 デンマーク・コペンハーゲン(Copenhagen)で記者団に対しトゥスク氏は「黙っていられない」と述べ、英国のEU離脱派を主導するジョンソン氏の発言は、許容可能な政治討論の「一線を越えた」と批判した。

 ジョンソン氏は、今月15日に英日曜紙サンデー・テレグラフ(Sunday Telegraph)とのインタビューで、6月23日に英国で実施されるEU離脱の是非を問う国民投票に関連して、「ナポレオン(Napoleon)、ヒトラー、さまざまな人物たちが(欧州統合を)試みたが、結局は悲劇的に終わった。EUは別の方法で同じことを試みている」とコメントし、物議を醸していた。

 トゥスク氏としては、英国の政治討論に介入するつもりはないが、ジョンソン氏のコメントはあまりにも無責任に思えたようだ。

「EUはさまざまな問題などで非難される立場にあるかもしれないが、欧州諸国の間で生じる危険な、そして往々にして悲劇的な対立に対しては、今なお最も効果的な防火壁の役割を果たしている」との見解を示した。(c)AFP