【5月16日 AFP】バングラデシュの首都ダッカ(Dhaka)で同性愛者の権利活動家2人が刃物で襲われ殺害された事件で、警察当局は15日、イスラム過激派とみられる容疑者の男(37)を逮捕したと明らかにした。

 殺害されたのは、同国のLGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー)誌の編集長ズルハズ・マンナン(Xulhaz Mannan)氏と、同誌の発行委員の一人だったマハブブ・トノイ(Mahbub Tonoy)氏。2人は先月、ダッカのアパートで、なたや銃を持った6人の男に襲われた。

 警察は14日、世俗派や無神論者ブロガーらの一連の殺害に関与したとされる地元イスラム過激派組織の構成員とみられるシャリフル・イスラム・シハブ(Shariful Islam Shihab)容疑者を逮捕した。

 ダッカ警察の報道官はAFPの取材に対し、ズルハズ・マンナン氏の殺害に関連して同容疑者を逮捕したと明らかにし、「彼はイスラム過激派『アンサルラ・バングラ・チーム(ABT)』の構成員だ」と述べ、2人の殺害はABT指導部の命令によるものと付け加えた。

 警察は15日の記者会見で、シハブ容疑者は殺害実行を否認しているが、今回の殺人事件で使用された2丁の銃うち1丁を所有していたほか、これまでもABTが犯行に使う武器や爆弾を供給していたと発表した。

 警察は、シハブ容疑者がABTの支部を率いていたとされる西部の町クシュティア(Kushtia)で数か所を強制捜査し、同容疑者を逮捕した。ダッカのテロ対策責任者モニルル・イスラム(Monirul Islam)氏は、この捜査が事件の「突破口」になったと語った。

「インド亜大陸のアルカイダ(AQIS)」が、2人は同国で「同性愛を推進」していたとして殺害の犯行声明を出したが、警察当局は、殺害の手口に地元イスラム過激派の顕著な特徴があったと述べた。(c)AFP