【5月14日 AFP】独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)といえば大衆車「ビートル(Beetle)」や「ワーゲンバス」、最近ならば排ガス不正問題が世界的に有名だが、VWにはもう一つ、あまり知られていないが自慢の生産品がある。カリーブルスト(カレーソーセージ)だ。

 カレーパウダーをかけたポークソーセージにスパイシーなケチャップをたっぷりつけて食べるカリーブルストはドイツ大衆食文化の象徴で、何十年も前から労働者たちに愛されてきた。大衆食堂や鉄道駅のほか、北部ウォルフスブルク(Wolfsburg)にあるVW本社でも販売されている。

 調理場は広大な自動車工場の組み立てラインから目と鼻の先だ。そこでは30人ほどの従業員が毎日、工場生産規模といえる3万本ものカリーブルストを作っている。白いコック帽をかぶった熟練シェフは、1973年考案のレシピをベースにしたVWオリジナルのカリーブルストを作り続けてもう15年以上になるという。

 ドイツでVWのカリーブルストは自動車のセールスマンが見込み客への手土産にしたり、企業が販促イベントの目玉として用いたりしている。その人気の高さから独スーパー最大手エデカ(Edeka)も一部店舗でVWのカリーブルストをVWブランドのスパイシーなトマトケチャップと共に販売。VWが2015年に売り上げたカリーブルストは08年からの倍増となる約720万本に達した。(c)AFP/Estelle PEARD