【5月16日 AFP】かつて米ハリウッド(Hollywood)の過剰さを象徴した、12室のベッドルームを擁する時価2億ドル(約220億円)の邸宅──米男性誌「プレイボーイ(Playboy)」の創刊者ヒュー・へフナー(Hugh Hefner)氏の豪邸「プレイボーイ・マンション(Playboy Mansion)」だ。

 ジョン・レノン(John Lennon)がたばこで焦がしたアンリ・マティス(Henri Matisse)の真作が壁に掛かり、エルビス・プレスリー(Elvis Presley)が一度に8人のプレイメイトとベッドを共にしたという館だ。しかし今、ここで目にする女性は、おしゃれなスーツを着た広報スタッフだけ。クジャクが歩く屋敷を覆うビジネスライクな雰囲気は、プレイボーイ誌が時代の要請に合わせるとして全身ヌード写真の掲載を廃止した動きと一致する。

■ポルノから主流へ、編集方針を変更させた交流サイト

「ヒュー・ヘフナー(Hugh Hefner)氏が世にプレイボーイをもたらした1953年と現在では、政治的、性的状況が似ても似つかない」と同誌の発行元、プレイボーイ・エンタープライゼズ(Playboy Enterprises)のスコット・フランダース(Scott Flanders)最高経営責任者(CEO)は、今年3月のリニューアル創刊時に語った。

 インターネット上でポルノ画像を容易に閲覧できる時代になったが、フェイスブック(Facebook)やツイッター(Twitter)、インスタグラム(Instagram)などの交流サイト(SNS)で掲載禁止にされないように、プレイボーイのウェブサイトは14年8月にはすでに、過激さをかなり控えていた。

 プレイボーイがオールヌードのグラビアページ掲載を開始したのは1971年。ヘフナー氏がプレイボーイ・マンションを当時100万ドルで購入したころだ。女性客のドレスコードはランジェリーだけというらんちき騒ぎのプールパーティーも誌上で紹介された。今でも屋敷でパーティーは行われている。だが、ヌード廃止後初の「今年のプレイメイト」となったモデル・女優のユージーナ・ワシントン(Eugena Washington)さんは、前回のハロウィーンパーティーに出席したが、以前の過剰なまでの豪華絢爛(けんらん)さは影を潜めていると語った。