【5月11日 AFP】米ロック歌手のジョン・ボン・ジョヴィ(Jon Bon Jovi)さんが10日、故郷の米ニュージャージー(New Jersey)州に「飢えの問題」に取り組むための施設を開設した。ボン・ジョヴィさんは同施設の存在が、金融危機後の大不況と大型ハリケーン「サンディ(Sandy)」に見舞われて以来、依然として深刻な食料不安の改善につながればと期待を寄せている。

 2012年に「サンディ」による甚大(じんだい)な被害を受けた同州トムズリバー(Toms River)にオープンした複合施設には、フードバンク(困窮者向けの食料配給)、レストラン、料理学校が入っているほか、税金の還付申告や医療ならびに公的扶助に関するアドバイスも無料で提供されている。

 ボン・ジョヴィさんと妻のドロシー(Dorothea)さんは、B.E.A.T.センター(B.E.A.T Center)── 「Bringing Everyone All Together(みんなを一つに)」の略語──をショッピングセンターに開設するための資金提供を行った。

 ボン・ジョヴィさんはこの日の式典で、同施設が「健康的な食事を提供する以外にも、地域社会を築く」ための場にもなると語った。さらに、こうしたボランティア活動が飢餓問題をなくす取り組みの一助になるとしながら、米国のような国でも、子どもたちの約15%がおなかをすかせたまま眠りに就いていることを指摘した。

 施設に設置されたレストラン「JBJソウルキッチン(JBJ Soul Kitchen)」は、ボン・ジョヴィさんにとっての2店目の店舗となった。1号店は2011年に州内レッドバンク(Red Bank)にオープンしている。

 このレストランでは、食事を済ませた客は厨房(ちゅうぼう)で店の手伝いをするか、少なくとも10ドル(約1100円)を寄付するルールとなっている。(c)AFP