【5月10日 AFP】英国のキュー王立植物園(Royal Botanic Garden、Kew)は10日、世界の植物に関する年次報告書を初めて発表し、植物が直面している脅威に警鐘を鳴らした。普段見過ごされがちな植物に関心を集めたいとしている。

 世界の植物が置かれた現状について報告する「State of the World's Plants)」は、英ロンドン(London)にある同植物園付属研究所の植物学者らによって作成された。

 ウェブサイトともリンクしている全80ページの報告書は今後、毎年発表される。そのため、世界の植物の保全状況についても比較可能となり、データベースや世界的指標として確立することを目指す。

 全世界で39万1000種以上が登録されたのは、水分やミネラルを運ぶ管の組織を持つ維管束植物だ。また、新種の植物がオーストラリアやブラジル、中国などを中心に毎年約2000種が見つかっているとしたほか、約1万7810種が医療用、5538種が食用、3649種が飼料用に使われているとその用途についても説明した。

 報告書によると、植物界が直面しているリスクの中では、農地開拓に起因するものが特に大きいという。また建物の建設や病気、農薬なども主なリスクとして挙げられた。気候変動については現時点ではまだそこまで大きい影響はないとしている。(c)AFP