【5月9日 AFP】米大統領選で共和党の候補指名獲得を確実にした不動産王のドナルド・トランプ(Donald Trump)氏が、民主党の指名候補争いで首位を走るヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)氏に対し、夫のビル・クリントン(Bill Clinton)元大統領の不倫を「助長」したとする新たな個人攻撃を行った。クリントン氏に集まる女性票を奪うのが狙いとみられる。

 トランプ氏は7日夜、ワシントン(Washington)州スポケーン(Spokane)で開いた集会で、以下の奇妙な発言を通じ、ビル氏の不倫騒動への対応をめぐるヒラリー氏批判を改めて展開した。

「ヒラリーは多くの女性を傷つけてきた。彼(ビル氏)が虐待した女性たちをだ」

「これを覚えておいてほしい。彼女は、信じがたいほど汚く、意地の悪いイネイブラー(助長者)だった。彼女がたくさんの女性にしたことは、恥ずべきことだ」

「そのうち何人かは彼ではなく、すべてが終わった後のヒラリー・クリントンの扱いによって破滅させられた」

 トランプ氏はかねて、クリントン氏が女性であることを政治的に利用していると主張してきた。今回の攻撃は、こうした主張は女性蔑視だとの批判を封じる狙いがあるとみられる。

 トランプ氏はこれまでの選挙戦で、自身が好まない女性らに対し、「ばか女」や「イヌ」、「太ったブタ」といった蔑称を使うなど、暴言を繰り返している。

 一方で、米ニューヨーク(New York)で数十年間にわたり女性に人気の未婚富豪男性として名を馳せたてきたトランプ氏は、最初の結婚で浮気したことを認めている。浮気相手の女性は2人目の妻となったが、トランプ氏はこの女性とも後に離婚している。(c)AFP