【5月6日 AFP】米大統領選で共和党の指名獲得を確実にしたドナルド・トランプ(Donald Trump)氏は、世界は無情ではなく欲しいものがいつでも手に入ると信じているようだ。英ロックバンド「ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)」から選挙集会での楽曲使用中止を要求されたにもかかわらず、5日の集会でも堂々と代表曲を使用してみせた。

 トランプ氏は米テレビ局CNBCに対し「いいかい、私たちは実にたくさんの楽曲を使っている。使う権利も持っている。私はいつだって(楽曲使用の)権利を買っているんだ」と述べ、ストーンズ側の要求を一蹴した。

 トランプ氏は選挙集会で会場を盛り上げようとストーンズのヒット曲を頻繁に使用してきた。だが、ストーンズは4日、「トランプ氏の選挙陣営に楽曲使用を許可したことは一度もない。ローリング・ストーンズの全楽曲の即時使用中止を求める」との声明を発表。同氏に楽曲を使われることに怒りを表明してきた多くのミュージシャンの一団に加わった。

 しかし、トランプ氏は5日、ライバル候補の撤退により指名獲得が確定して初の選挙集会となったウエストバージニア(West Virginia)州チャールストン(Charleston)で行われた集会で、ストーンズの要求に「倍返し」で応じた。

 この集会では、「天国のようなウエストバージニア」の歌い出しで始まるジョン・デンバー(John Denver)の曲「カントリーロード(Take Me Home, Country Roads)」をBGMにトランプ氏がステージに登場すると、次にスピーカーからストーンズの「スタート・ミー・アップ(Start Me Up)」と「無情の世界(You Can't Always Get What you Want)」の2曲が立て続けに大音量で流れた。

 トランプ氏の陣営に対しては、これまでに歌手ニール・ヤング(Neil Young)さんや米ロックバンド「R.E.M.」、歌手アデル(Adele)さんらが集会での楽曲使用中止を求めている。(c)AFP