【5月6日 AFP】ルクセンブルク政府は5日、壮大な小惑星での資源採掘事業計画を明らかにし、「最後のフロンティア」の開拓権に名乗りを上げた。小さな公国が米企業ディープ・スペース・インダストリーズ(DSI)と提携して、小惑星に存在すると考えられる天然資源の商業開発に乗り出す。

 ルクセンブルク政府はDSIとの間で締結した協定に基づき、同社が計画している極小の「ナノ宇宙船」を利用した近傍小惑星の鉱物資源探査に出資する。協定がもたらす事業価値は公表されていない。

 DSIによると、まず米国内とルクセンブルクで試験用宇宙船「プロスペクターX(Prospector-X)」を開発。最終的には、小惑星に着陸して鉱物資源を評価できる完全機能搭載のナノ宇宙船を建造する計画だという。

 小惑星は、産業に不可欠なプラチナなどの希少金属が豊富に眠っていると期待されている。

 ルクセンブルクは商業宇宙開発の最前線に立つことを目指し、今年2月に投資家や企業を誘致するための法的枠組みを整備。小惑星の鉱物採掘権を主張する欧州最初の国となった。

 同様の動きとしては、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領が昨年11月、「商業宇宙打ち上げ競争力法(通称:宇宙法、Commercial Space Launch Competitiveness Act)」を承認し、米企業に自社で回収した宇宙資源に対する財産権を与えている。(c)AFP