【5月4日 AFP】イングランド・プレミアリーグ、レスター・シティ(Leicester City)の経営陣は3日、歴史的偉業となるリーグ制覇を果たした主力選手の流出を阻止する意思を示した。

 レスターでは素晴らしい活躍を披露したエースストライカーのジェイミー・バーディー(Jamie Vardy)、快速ウインガーのリヤド・マフレズ(Riyad Mahrez)、中盤を支えるヌゴロ・カンテ(N'Golo Kante)が注目を集めており、売却した場合は多額の移籍金が支払われるものとみられている。

 レスターのアイヤワット・シーワタナプラパースリヴァッダナプラバ(Aiyawatt Srivaddhanaprabha)副会長は、クラブは選手を売却する圧力にさらされておらず、実際はすでに新たに獲得する可能性のある選手数人に接触していることを明かした。

 アイヤワット副会長はタイのテレビ局チャンネル3(Channel 3)に対し、「レスターは選手を売却するチームではない。当初から主張しているように、われわれはチームの基盤を作りたいと考えている。彼らは一緒に成長してきた」とコメント。「すべての選手が残留を望んでおり、チームがどこまで行けるか見届けたいと思っている。全員が満足している」

 アイヤワット氏の父親で億万長者のウィチャイ・シーワタナプラパー(Vichai Srivaddhanaprabha)会長は、免税店のキングパワー(King Power)で成功を収め、その資金で2010年にクラブを買収した。

 プレミアリーグでは2日、2位トッテナム・ホットスパー(Tottenham Hotspur)がチェルシー(Chelsea)との試合で勝ち点を落としたため、開幕前の優勝オッズが5000倍だったレスターの優勝が決まっている。

 フォクシーズ(Foxes、レスターの愛称)の経営陣は、クラブの財政面だけでなく、昨夏にナイジェル・ピアソン(Nigel Pearson)前監督を解任し、クラウディオ・ラニエリ(Claudio Ranieri)監督を招聘(しょうへい)した人事面でも抜け目のないかじ取りで称賛されている。

 ウィチャイ会長に代わりメディア対応も担っているアイヤワット副会長は、「われわれは半年先を見据えて計画を立てる。補強についても半年先を見据えており、すでに何人かの選手と接触している」と明かす。

 リーグ制覇によって数千万ポンドを得ることに加え、マーケティング面や販売面でも大きな成長が見込まれることから、レスターのバランスシートはさらに健全化するものとみられている。また、来季は分配される放映権料が増加するため、その資金をチームの補強や選手の昇給に費やすとみられている。(c)AFP