【5月2日 AFP】米国では今年、多くの人々が、絵画やポスターに米大統領選指名争いに出馬している共和党不動産王ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏や民主党のヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)前国務長官を描き、政治的な意見を声高にしている──。

 なかでも、共和党候補指名争いをリードし、数々の過激な発言で知られる不動産王のトランプ氏は、最も人気のある被写体だろう。

 米ニューヨーク(New York)在住のストリートアーティスト、ハンスキー(Hansky)さんは、マンハッタン(Manhattan)市内に、トランプ氏に批判的な作品を描いた──同氏をハエが群がる「ふん」に見立てた作品だ。これは、数あるトランプ氏を批判する作品の中でも最も単刀直入の表現だろう。

■「No Trump Anytime」

 メキシコ人を中傷するような発言で知られるトランプ氏のピニャータも人気だ。この数か月間、米国とメキシコの両国で売れ行きが好調となっている。(訳注:ピニャータとは、メキシコなどで売られている、キャンディーやおもちゃなどが詰まったくす玉。棒などでたたき割って内容物を取り出す)

 またヒスパニック系が多く暮らす地域では、黒地にトランプ氏の横顔と「Donald eres un pendejo(ドナルド、おまえはろくでなしだ)」の大きな文字が白抜きされたデザインのTシャツやポスターなども人気だ。

 最近では、シカゴ(Chicago)や首都ワシントン(Washington D.C.)、ニューヨーク、ロサンゼルス(Los Angeles)などの都市で、「No Parking Anytime(常時駐車禁止)」の道路標識に似せた「No Trump Anytime(常にトランプに反対)」と書かれたプレートもよく見られる。

 これは、ロサンゼルス在住のストリートアーティスト、プラスチック・ジーザス(Plastic Jesus)さんのアイデア。大勢の人々と同様に、自らに政治的な発言力はないと話すプラスチック・ジーザスさんは、「ストリートアートは僕にとって、自分の意見を発信する良い方法だし、それがきっかけで全国的に対話が広がることを願っている」とコメントしている。