【4月28日 AFP】国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)は27日、リオデジャネイロ五輪の開催地となるブラジル・リオデジャネイロ(Rio de Janeiro)のスラム街で、過去1か月に警察官の発砲で11人が死亡しており、住民が「恐怖の中で生活している」と述べた。

 アムネスティによると、リオデジャネイロ市で昨年1年間に警察官が死なせた人は少なくとも307人に上り、同市で起きた殺人のうち5人に1人が、警察官によるものだという。8月5日の五輪開幕まで100日となる中、アムネスティはブラジル当局に対応を呼び掛けた。

 アムネスティは声明で「大半が穏やかな路上での抗議行動に対し、(当局は)強硬な手段をますます取るようになっている」と述べた。また、アムネスティ・ブラジル支部の代表は「抗議行動中に警官隊が使ったゴム弾やスタングレネード、さらには銃器によって、多くの人が重傷を負っている」と語った。

 アムネスティの調査によると、リオデジャネイロでサッカーW杯(2014 World Cup)が開催された2014年、リオデジャネイロ州警察当局が死なせた人数は、2013年から40%増え、580人に上った。また、2015年はさらに増えて645人に達した。(c)AFP