【4月27日 AFP】南スーダンの反政府勢力を率いるリヤク・マシャール(Riek Machar)前副大統領が26日、首都ジュバ(Juba)に帰還し、副大統領の就任宣誓を行った。世界で最も新しい国家である南スーダンでは2年以上前から激しい内戦が続いており、マシャール氏は「団結」を呼び掛けた。

 マシャール氏が国連(UN)機から降り立つと、白いハトが放たれ、閣僚や外交官らが出迎えた。同氏は「人々が一致団結し、傷を癒やしていけるよう、国民を一つにまとめていく必要がある」と語った。

 その後直ちに、宿敵であるサルバ・キール(Salva Kiir)大統領の官邸を訪れ、大統領の前で副大統領の就任宣誓を行った。キール氏は握手したマシャール氏を「弟」と呼び、統一政府の樹立に向けて「直ちに行動を起こす」と述べた。

 この激しい内戦の終結を目指して昨年8月に結ばれた和平合意では、移行政府を打ち立て、2年半のうちに選挙を実現させるとしている。

 この合意に基づいて定められたマシャール氏の帰還は当初18日に予定されていた。遅れが出たことで、敵対する双方を首都に立ち戻らせ、権力を分かち合っていくための交渉に何か月も費やしてきた国際社会からは怒りの声が上がっていた。

 統一政府でキール大統領とマシャール氏が協力し合い、現在首都内の各キャンプにいる数千人規模の武装勢力同士に停戦を守らせるのは、さらに難題になると予想される。双方は互いに深い疑念を抱いており、もはやキール氏にもマシャール氏にも従わなくなった民兵部隊らとの戦闘は続いている。

 これまでの内戦では数万人が犠牲になり、200万人以上が家を追われている。民族間対立は再燃し、甚大な人権侵害が横行している。

 マシャール氏の帰還により、山積する問題が早急に解決されるはずだという期待が大きく膨らんでいるものの、即効薬はないのが実情だ。(c)AFP/Peter MARTELL