【4月25日 AFP】イスラエルは24日、刃物で襲撃を企てたとして2か月以上にわたり刑務所に収監していたパレスチナ人少女、ディマ・ワウィ(Dima al-Wawi)さん(12)を釈放した。弁護士によると、イスラエルで収監されたパレスチナ人女性の中で最年少という。

 パレスチナ人自治区ヨルダン川西岸(West Bank)北部のトルカレム(Tulkarem)の検問所で自治政府側に引き渡されたワウィさんは、車で南部ヘブロン(Hebron)郊外の自宅に帰還。市長や多くの住民らに温かく迎えられた。

 ワウィさんは2月9日、ヨルダン川西岸にあるユダヤ人入植地の入り口で刃物を所持しているのが見つかり、学校の制服姿のまま逮捕された。その後、イスラエル軍検察との司法取引で殺人未遂と刃物所持の罪を認め、禁錮4月の実刑と執行猶予6週の追加刑の判決を受けた。

 ワウィさんの弁護団はイスラエルの軍事法廷に早期釈放を求めていたが、このほどイスラエル側が釈放に合意したという。

 イスラエルの軍事法廷では、未成年でも12歳から起訴できると定めている。国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)によると、世界でもこうした例は他にないという。イスラエルは現在約450人の未成年パレスチナ人の身柄を拘束しており、うち100人ほどが16歳未満だ。

 イスラエルやパレスチナ人自治区のユダヤ人入植地では昨年10月以降、パレスチナ人がナイフや銃、車で突っ込むなどの方法でイスラエル人を襲撃する事件が多発しており、これまでにイスラエル人28人、パレスチナ人201人が死亡している。(c)AFP