【5月4日 AFP】スペイン語圏で熱心なサッカーファンが多いグアテマラのような国では、アメリカ大陸よりもアジア地域で人気が高いバドミントンに対し、それほど国民の興味は集まらず、競技名を発音するのさえ難しい。そのなかで、ケビン・コルドン(Kevin Cordon)の活躍には脱帽だ。サッカー元イングランド代表のケビン・キーガン(Kevin Keegan)氏が名前の由来とされるコルドンは、11歳からバドミントンを始め、現在は世界ランク49位につけている。

 パンアメリカン競技大会(Pan American Games)の男子シングルスで2連覇を達成するなど、国際大会でも活躍しているコルドンは、北京五輪ロンドン五輪に続き、8月に開催されるリオデジャネイロ五輪に出場することになっている。

 しかし、これらがすべて実現しなかった可能性もある――。グアテマラ市(Guatemala City)にある五輪合宿所で、練習前にAFPの取材に応じた29歳のコルドンは、「僕がバドミントンを知ったのは偶然だった」と明かした。

 コルドンはグアテマラ東部の町ラ・ウニオン(La Union)で開催されたバドミントンのエキシビションを見学し、強く心を打たれたという。「僕はそこでバドミントンを始めたんだ。練習を始め、3か月後には初めて出場した大会で優勝したんだよ」

 グアテマラではサッカー人気が高く、コルドンの父親は往年の名選手であるキーガン氏にちなみ、息子に名前をつけたという。コルドンは「家族全員がサッカーの大ファンだった。僕も大人になるまでサッカーを続けていたけれど、バドミントンを見て扉が開かれた。けがを避けるために、バドミントン一筋でプレーすることに決めたんだ」と話している。

 パンアメリカン競技大会でのコルドンは、2011年大会で金メダルを手にしたのに続き、2015年大会でも再びタイトルを獲得。2012年のロンドン五輪では予選ラウンドで敗退したものの、グアテマラ代表として五輪のバドミントンで初めて2勝を挙げた選手となった。