【4月22日 AFP】米大統領選の共和党候補指名争いで首位に立つドナルド・トランプ(Donald Trump)氏は21日、米20ドル紙幣に元奴隷で奴隷解放運動家のハリエット・タブマン(Harriet Tubman)の肖像が採用されることに異議を唱え、めったに使われない2ドル紙幣に使えばいいなどと主張した。

 アフリカ系米国人として初となるタブマンの肖像採用は前日、米紙幣の図柄変更の一つとしてジェイコブ・ルー(Jacob Lew)財務長官が発表していた。具体的な新デザインは4年後に公表される予定。

 トランプ氏は米テレビNBCのニュースショー「トゥデイ(Today)」でこの決定について尋ねられると、現行の20ドル紙幣の表に肖像が使われているアンドリュー・ジャクソン(Andrew Jackson)第7代米国大統領に言及し、「ジャクソンには偉大な歴史がある。紙幣からある人物を取り除くとは乱暴なことだ」と不満を示した。

 トランプ氏はまた、ジャクソンによる「米国に途方もない成功をもたらした歴史」をたたえ、広く流通している20ドル紙幣からジャクソン元大統領を排除するなど「ポリティカルコレクトネス以外の何物でもない」と断じた。

 さらに「タブマンの肖像は2ドル紙幣に使ったらいい」と述べ、「デノミネーション(通貨切り下げ)になったらいいね。あり得ないことじゃない。そうなればもっとぴったりだ」と続けた。(c)AFP