【4月19日 AFP】中国人女性らは今、自分たちの中で一番「紙のように」細いのは誰か、という競争をインターネット上で繰り広げている。それも、本物の紙を使ってだ。

 同国のソーシャルメディアでは近年、モデル体形にどれだけ近づけたかを見せつけようとする女性たちによるセルフィー(自撮り写真)の投稿が流行している。その最新の例となったのが、縦向きにしたA4サイズの紙を自分の腰の前に持ちながら自撮りして、ウエストの細さを競うものだ。

 中国のマイクロブログ「新浪微博(Sina Weibo)」では、A4のウエストを意味する「#A4腰#」のハッシュタグを付けた投稿が相次いでいる。中国共産党機関紙・人民日報(People's Daily)の公式ツイッター(Twitter)アカウントは、この流行を「フィットネス・チャレンジ」と呼んだ。

 中国では当局のネット検閲が厳しく、ツイッターやインスタグラム(Instagram)、フェイスブック(Facebook)などのソーシャルメディアサイトが見ることができないようになっている。こうしたサイトでは、多くの外国人がこの中国の流行に対して批判的な声を上げている。

 中には、つなぎ合わせた複数の紙の後ろでポーズをとったり、自分の体形を肯定するメッセージを書いたA4の紙を掲げたりした写真を投稿するユーザーもいた。

 中国女性の間では過去にも、鎖骨のくぼみにコインを積み上げてぜい肉のなさを証明したり、乳房の下にペンを挟んで豊満な胸を自慢したりすることが流行してきた。

 女性の権利活動家の肖美麗(Xiao Meili)さんは、「A4ウエスト」チャレンジの流行を「ひどく退屈だ」と批判。こうした現象が起きるのは、中国でジェンダーの問題についての認識が不足していることや、画一的な美の基準しかないことが原因だと指摘する。

「みんな迷信的で、頬骨の角度はどれぐらいであるべきとか、鼻の高さはどれぐらい、両目の間は何センチであるべきだとか、そういうことばかり語っている。みんな、美は数字で表すことができると考えている」(肖さん)

(c)AFP