■「私たちの時代が来たのかも」

 長谷川潤(Jun Hasegawa)さんや道端ジェシカ(Jessica Michibata)さんといったハーフモデルの後に続いて、メロディー洋子さんは2006年に来日。ハーフモデルの需要が増え、社会の態度を変化させるのを見てきた。「日本人のメンタリティーが成長して、世界はより広いところなんだと意識し始めた証拠」だと言う。

 日本は圧倒的に単一民族だといわれる。厚生労働省によると異なる民族間の子どもの誕生は毎年3%だが、国際結婚が増えているため、その数字は今後10年間で急増するとみられている。

 メロディー洋子さんは、ハーフであることはもろ刃の剣だと言う。「自分のアイデンティティー意識があまりないからすごく大変。いまだに日本にも少しだけ、アメリカにも少しだけなじんでるという感じ。100%、しっくりくる特定の場所はない」と言う。「だから決まった枠の外を見て、自分の居場所を探さなきゃいけなかった」

 ゆくゆくはハリウッドに挑戦し、米映画界にも変化をもたらしたいと、メロディー洋子さんは考えている。もっとリアルな日本人を演じたり、アジア系米国人がもっと起用されるように業界を変えたりしていきたいと語る。「だんだん変わってきてるから、すごくわくわくしている。10年前より可能性が増えている。私たちの時代が来たのかも」

 特に取り組みたいと思っているのは、アクション映画の役柄だ。「ずっとスポーツ好きだし、強いヒロインが大好きだから。(そういった映画は)まだ少ないと思う」

 9歳の時に見た宮崎駿(Hayao Miyazaki)監督の『もののけ姫(Princess Mononoke)』を今も覚えている。「当時はあまり大きな意味を感じなかったんだけど、主役の子にすごく共感したんだと、今になって気づいた。彼女はとても強い女性で、すごくかっこよかった。今の私を作ってくれた」(c)AFP/Alastair HIMMER