【4月15日 AFP】中欧のチェコ政府は14日、外国語での国名呼称について、正式名称ではあるが長々しい「チェコ共和国(Czech Republic)」に代わって「チェキア(Czechia)」を用いてほしいと要請する声明を出した。 

 ミロシュ・ゼマン(Milos Zeman)大統領やボフスラフ・ソボトカ(Bohuslav Sobotka)首相ら政府関係者が連名で発表した声明は「外国語で正式国名を使用する必要がない状況においては1単語の国名を推奨する」とし、該当する例としてスポーツの試合やマーケティング目的を挙げた。外務省を通じて、国連(UN)に英語では「チェキア」、フランス語では「チェキー(Tchequie)」を公用語の国名としてデータベースに追加するよう要請するという。

 ルボミール・ザオラーレク(Lubomir Zaoralek)外相は記者団に対し、「誤解や誤表記が相次いでいる」ことから政府としての対策を決めたと説明した。例えば、同国のアイスホッケーチームのユニフォームに記された国名「チェコ(Czech)」は形容詞だ。

 ただし、国民全てが呼称変更に積極的なわけではない。カルラ・シュレフトバー(Karla Slechtova)地域開発相は14日、マイクロブログのツイッター(Twitter)に「私は『チェキア』という呼称に反対だ。ロシア南部のチェチェン(Chechnya)共和国と混同されたくない」と投稿している。

 チェコは、前身のチェコスロバキア連邦共和国が1993年にチェコとスロバキア両共和国に平和的に分離して成立した国家だが以来、国名をめぐる議論が絶えない。(c)AFP