【4月15日 AFP】ベトナム南部バリア・ブンタウ(Ba Ria-Vung Tau)省で13日夜、薬物依存症の患者約450人がリハビリ施設から脱走した。地元当局者が14日、明らかにした。施設では多くの人々が強制治療のため拘束されていた。

 患者らは警備員を襲撃し、壁を登り、正門を突破して脱走した。同省労働局によると、すでに150人の患者が連れ戻されたが、残りの300人近くが現在も逃走中だという。

 ベトナムでは、若者を中心に薬物乱用が増加しており、共産党政権は14万人いると推定される薬物依存者を対象に、強制治療制度を導入している。薬物依存者は、自主的に入所することも可能。入所者らは、施設で2年間の治療を受けることになる。

 米国を拠点とする国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)は、こうした治療施設の環境が劣悪だと非難しており、国連(UN)の専門家は施設の閉鎖を勧告している。

 HRWによると施設の入所者は適切な医療を受けられず、しばしば暴力を振るわれており、HRWはこれらの施設を「強制労働収容所」と呼んでいる。(c)AFP